環境に優しいから・路面電車の未来
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車社会が進むとともに道路から追われ、最盛期の6分の1に減った日本の路面電車。明治中期に京都で市電が走ったのを第1号に昭和初期には全国の主要都市で走り、市民の貴重な足となっていた。だが、乗用車の普及に伴い「道路交通の妨げになる」「採算が取れない」などの理由から次々に廃止され、現在残るのは、19都市約240kmだけとなっている。しかし、12月に京都で開かれた地球温暖化防止会議で再評価の声も出ている。
見直しが進む欧米の影響や環境問題もあって、排気ガスを出さず、建設費も割安の路面電車は再評価されつつある。岡山市では昨年5月「路面電車サミット」が開かれたが、すでに運行している自治体だけでなく今後導入を計画している自治体の関係者も出席、予想の3倍近い約330人が集まった。サミットでは、床面をレールすれすれまで下げ、車椅子やベビーカーも簡単に乗り降りできる「LRT」(ライト・レール型電車)を走らせた熊本市の報告などがあり、環境や高齢者に優しい路面電車を街作りに生かすことを提案した。論議の中で岡山電気軌道が、岡山駅前広場への乗り入れと市役所までの路線延伸への意欲を見せた。その後、建設省も来年度予算の概算要求で、路面電車の延伸助成対象に岡山市をリストアップ。沿線住民も昨年11月下旬、環状化を市に陳情し、ムードの盛り上がりに市も延伸ルート選定を急ぎ始めた。
「LRT」は、最も乗降客の多い広島市の広島電鉄でも来年度から導入する予定で、さらに東京や埼玉など各地でも同様の動きが見られる。採算から見ると難しい点は多いが、建設省も路線延長などへの補助金を出す方針を打ち出し、てこ入れをはかる。
考察:
路面電車というのは地球温暖化防止京都会議でも評価されるほど環境に優しいらしい。乗用車が普及しモータリゼーションといわれ、同じ道路を走る路面電車は交通渋滞の原因となるということで、日本各地で廃止された。東京でも例外でなく、現在は北部に1路線が走るだけとなっている。しかしバスに比べると、初期投資などいくらかお金がかかるが、現在は地球環境を第1に考えたものが求められる時代だから、これからまた作っても、復活してもいいように思う。
だが、ただ復活するだけではしばらくは続くであろう車社会の中に埋もれてしまい、やはり路面電車は邪魔な存在となってしまうから、その点はきちんと考えるべきであろう。
たとえば、欧米では大都市で路面電車の復活が盛んである。しかしそれらはただの復活ではなく「LRT」と呼ばれる新たな交通機関として建設がされている。これは、床面がレールぎりぎりに作られていて、乗車する時は1段上がるだけという簡単なものである。これなら体の不自由な人や老人でも楽に登れる。日本でもぜひ導入するべきであろう。道路の端のほうに専用の線路を引けば簡単に出来るはずである。しかし日本の道路は狭いので、京都などの比較的広い道路を持つ都市で実施してみると良いだろう。それから全国的に広めてみるのはどうであろうか。
バスは排気ガスを大量に出すが、路面電車は電気で走るので大気を汚すことも無い。そんな路面電車が高度経済成長で、とにかく出来れば良いという時代に次々に廃止されていった。しかし、環境の問題が深刻化する近年になってクリーンな路面電車が再び脚光を集めるのは皮肉なものである。あの時代に環境のことをきちんと考えて路面電車を残していれば、こんな事には成らなかったであろう。クリーンな路面電車がもう一度全国を走る姿をぜひとも見てみたいものである。
参考記事:特になし