その7・京都会議


 

温暖化防止京都会議・京都から地球へとは。

 

取り上げた記事:

1. 11月28日 読売:ECO'97/「地球を守ろう」国際課題

2. 11月28日 読売:京都から地球へ(上)/氷の世界にも温暖化の影

3. 11月29日 読売:京都から地球へ(中)/省エネ商品、知恵絞る企業

4. 11月30日 読売:京都から地球へ(下)/対立超え政治決断のとき

 

記事の概要:

12月1日から京都で始まる気候変動枠組み条約第三会締約国会議(地球温暖化防止京都会議)を控え、読売新聞が「京都から地球へ」として特集した記事について私なりの意見を述べてみたい。

世界最高峰エベレストの南方、ネパールのイムジャ氷河末端に灰色の水溜まりが拡大し始めたのは1960年頃からだった。現在長さ1km以上、深さ100mにも達し、2800万dの水を湛えるまでに成長している。すばらしい景色の中に溶け込む「氷河湖」は、実は非常に危険な所なのである。95年に同じネパールのクーンブ地方に洪水が起こった。これが氷河湖の決壊による洪水だと確認されたころ、過去にも15件近くも同じ事態が起きていた事も分かった。関係者は「ヒマラヤの気象の温暖化が原因で氷河が溶け出している」と述べる。ネパールだけでなく「アルプスの氷河は1850年以降、体積が半減」など温暖化の影響が世界各地の色々な現象となっていることが分かる。

温暖化を防ぐため二酸化炭素を削減する試みは、僅かながら増えてきている。たとえば、環境に配慮した「エコロジー・カー」がある。トヨタ自動車では12月から、ハイブリッド車を市販する。この車は、二酸化炭素排出量を従来のガソリン車に比べ約2分の1に抑えるというものだ。しかし、価格が従来の品よりも高ければ消費者は購入しようとは思わない。結局のところ「環境対策について、消費者にどう協力と負担を求めるか」という問題である。

室内の冷暖房エネルギーを節約でき、二酸化炭素の排出量が20〜50%も削減できるという「住宅用複層ガラス」は1950年代に開発された。窓ガラスが二重構造になった製品で、以前は寒冷地などでしか売れなかったが、1990年代半ばにプレハブ住宅各社が標準規格として採用したために、一気に人気が高まった。発売当初、普通のガラスの3倍も高かった価格が今では量産効果で約2倍にまで低下している。企業の知恵と工夫新しい需要の創出はコストダウンにつながる。それによって消費者も環境製品に割高感を感じなくなることができるだろう。

 

考察:

地球温暖化防止京都会議は、単に政府規模で温暖化を防止するだけではなく企業や消費者もひっくるめた、地球上すべてのものに対して問い掛けるべきである。ヒマラヤの氷河の氷解によってできた湖は観光客や観光業者から見れば景勝地がまた増えると手を挙げて喜ぶ。しかしその氷解の原因となる事象は、観光客すなわち消費者によって起こされているのである。それを考えるとただ事ではないと後から騒ぎ立てる。観光業者だって氷河湖の決壊で跡形もなくされてはたまらないだろう。ならばなるべく昔の景色に戻す方向の行動をする。それでなくても現状で止めておける位のことが必要であることは、必然的なことになってくる。

企業はかつて、環境のことよりも商品の開発生産を第一に考えていた。少しくらい環境に悪くても、商売経営のためならば、多少のリスクは許されるものとされてきた。しかし今日の社会では逆に環境に対する準備がなされていないほうが、企業側にリスクを持たされるようになってきた。トヨタ自動車の「エコロジー・カー」にしても、複層ガラスの価格低下による消費者への普及にしても企業側の努力により直接的ではないものの、僅かながらにも減らす努力が見える。そういった事が当然となって、少しでも地球温暖化を防ぐ手立てになればよいと考える。

 

参考記事:特になし







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